
表参道徒歩12分。木、光、緑を取り込んだ3層の空間。南青山で始める、戸建感覚のSOHOスタイル。
表参道、乃木坂、外苑前。
青山の主要な駅から少し歩き、賑わいがゆっくりと遠ざかっていく南青山4丁目。
青山霊園の豊かな緑に寄り添うように、4棟の建物がひとつの小さな集落をつくっています。
佐藤尚巳建築研究所が設計を手掛けた今回のデザイナーズSOHO物件。
黒い外壁に切り込まれた菱形の窓、棟と棟の間を抜ける路地のような余白。
都心の限られた敷地の中で、光や風、そして周囲からの視線まで丁寧にデザインされた建築です。

敷地内にはⅠ〜Ⅳ棟の4棟が点在。
一般的な集合住宅のようにひとつの大きな建物へ住戸を収めるのではなく、それぞれが独立した小さな家のように配置されています。棟と棟の間に生まれた余白も、路地のような独特の雰囲気。
黒一色でまとめられた外壁に、三角形や菱形の窓がアクセントを添えます。

玄関を入ると、まずは木の素材感が印象的な空間。
天井には木の梁をそのまま見せ、床にも木目を取り入れることで、新築ながらどこか肩の力が抜けるような温かさがあります。

居室の周囲には造作棚がたっぷり。収納としてはもちろん、本や作品、プロダクトを並べればディスプレイ棚としても活躍してくれそうです。
SOHOなら、ここを打ち合わせスペースやアトリエ、ショールーム的な場所として使うのも面白そう。
上階をプライベートな仕事場にして、1階だけで来客対応を完結させる使い方も考えられます。



階段を上がった2階には、キッチンを備えた開放的なLDK。
白を基調としたキッチンに、木の天井と造作棚、住宅らしい居心地を残しながらも、一般的なマンションとはひと味違う空間に仕上がっています。
造作棚は空間を完全に遮らず、視線が抜けるつくり。
ワークスペースとラウンジ、ダイニングと仕事場など、緩やかに用途を分ける役割も果たしてくれそうです。



最上階は、ぐっと落ち着いた雰囲気。
左右に設けられた菱形の窓と中央の窓、さらに上部から光を取り込む開口部によって、壁に囲まれながらも閉塞感を感じにくい空間です。デスクを置いて集中するためのワークスペースや書斎にするのもよし。
SOHOなら、寝室として1・2階の仕事場からしっかり切り離すのもよさそうです。

こちらは、建物のコーナーを切り取るように設けられた窓。
隣棟との距離が近い都心の環境で、窓の向きに角度をつけることで視線が真正面からぶつかりにくく、それでいて室内へ光を取り込めるよう計画されています。

Ⅳ棟の先には豊かな樹木が広がり、窓やバルコニーからその緑がちらりと覗きます。
設計時から南側の緑を借景として取り込むことが意識されています。



南青山にありながら、街から離れたような感覚を味わえる今回のデザイナーズ物件。
建築・デザイン・編集・映像・ファッションなどのクリエイティブ職、少人数のデザイン事務所、アトリエ兼住居などがしっくりきそうです。
仕事場と住まいをきっちり分けるのではなく、その境目ごと楽しんでしまう。
そんなSOHOのあり方が、この建物にはよく似合います。