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SOHOTOKYO Interview【MOAB design inc.】
2011年11月、代々木上原にオフィスを構えたMOAB design inc。
同社の代表品田祥宏氏とパートナーの的場順平氏に現在のビジネスを今後のビジョンについて話を聞いた。

品田 祥宏 Yoshihiro Shinada
1982年東京生まれ。日本医療科学大学を経て、親族の経営するインテリアメーカーで家具のデザイン、製作、施工を経験後、2009年にMOAB design inc,を設立。同社にてオーダー家具ブランド「moab mobel」を運営。多角的な視点からの企画立案を得意とするアイデアマン。

的場 順平 Junpei Matoba
1982年東京生まれ。東京芸大では油絵を専攻。在学中はアートプロジェクトを創設、代表を務める。卒業後、デザイン会社で大手通信会社の店舗デザインなどを担当。2009年にMOAB design inc,を設立。同社ではブランディングのコンセプト、企画、WEBデザイン、グラフィックデザインなどを担当。
「MOAB」の今。
―――先ずは事業内容について教えて下さい。
品田氏:弊社は一般的なカテゴリーで言えばデザイン事務所です。ただ、この呼び名があまり好きじゃないんです。既に形あるものに対する広告業というのイメージが強くて。現状はWEB制作をメインに行っていますが、次のステップでは自分達のアイデアやデザインを事業化していきたいと考えています。
的場氏:WEBビジネスは参入障壁が低くて競争は厳しいですが、様々な可能性のある媒体で僕らみたいな新参者にもチャンスがありますから。
これからの展望としては既存のデザイン事務所のように広告業に特化する業態、または営業力を生かして代理店化するのではなく、アイデアで終わらせない実現力がある常に発信する側でありたいですね。こんなものがあったらいいな、じゃあ作っちゃおうという。簡単にはいかないでしょうけどね。

代々木上原のモアブデザインのオフィス
―――どういったクライアントが多いのですか。
品田氏:親戚が経営する会社で家具のデザイン、製造、施工をしていたので、その繋がりから家具業界、キッチンメーカー、インテリア、建築業界が中心です。
特に家具については、今までの経験でニーズを理解しているので、クライアントの意図を汲み取った付加価値のあるサイトの制作、運用が出来ることが強みです。
また、起業される方にとってWEBサイトは必須の世の中ですので、そういったこれから事業を起こされるお客様とスタートからお付き合いさせて頂いています。
「MOAB」前夜。
―――二人は高校の同級生なんですよね。
的場氏:ええ。品田は学校でトップクラスの変人でした(笑)卒業後はそれぞれの別々に進学したのですが、その後もよく一緒に遊んでいました。
品田氏:何でも興味を持ってしまうし凝ってしまうので、周りにはそう映っていたのかも知れません(笑)
在学中はアマチュアボクシングに打ち込み、プロに転向して8戦。引退後は海好きが高じてダイビングのインストラクターライセンスを取得しました。最近はブラジリアン柔術とサーフィンですね。やりたい事には手を出さずにはいられないんです。
―――好奇心旺盛ですね(笑)それほどの多趣味で今のビジネスを選んだきっかけはなんだったのですか。

品田氏:実はサーフボードを作ろうというのが始まりです(笑)
二人でよくサーフィンしに行っていたのですが、カッコいいボードって無いなあって。遊びのモノって外見から入るのも楽しみのひとつじゃないですか。
それで真っ白のボードを買って来て、自分達でデザインをしてマスキングしてスプレーをしたら、意外といいものが出来た。これ売れるんじゃないかって。それがモアブの始まりです(笑)
的場氏:それ、作業は殆ど僕がやりました。品田は別のボードで波の上でした(笑)
サーフボードに関してはデザイン性を高めるだけでも、他社製品との差別化が容易な商材だったんでとりあえずやってみようと。安易ですよね。
ただ、現実問題として作業スペースの確保が大変だったんです。東京ではそういう場所を探すのは難しい。外でやると埃が付いてしまうし、塗装をするには、換気システムも必要だし高額な設備を用意しなければなりません。作業スペースがあったら今もやっていたかも知れませんが、「デザイン」が売りなら「デザイン会社」でいいじゃん、という話にまとまりました(笑)

品田氏:本人を前にしても照れくさいんですが、そういう時間を一緒に過ごす中で、こいつに何かにやらせたら凄く面白いだろうな、世に出してみたいな、という感覚に陥ったんです。的場と出会わなければ、起業を考えなかったかも知れません。
的場氏:僕としても、品田は決める時には決めてくる男なので、彼に引っ張られてもいいかな、と思えたんです。10年後、20年後面白いことが出来るのではと思えたんですよね。
―――WEB制作を始めたのはどんな経緯なのですか。
品田氏:新規参入がし易いし、新しいビジネスモデルの可能性も残されている市場ですからね。当たり前かも知れませんが、自分達のアイデアを事業化するために、先ずは自分たちが今持っている武器で求められるコトをやろうと。
周囲に二人で仕事を始めたことを伝えると、少しずつ仕事の依頼が入って来ました。
―――最初の仕事はどんな仕事でしたか?
的場氏:知り合いのアーティストの方が法人化する時に名刺デザインを頼まれたんです。その紹介、またその紹介という繋がりで、知り合いの伝手だけでWEB制作などの仕事が徐々に増えていきました。
大学を卒業して、最初に入ったデザイン会社は大手広告代理店の仕事が多かったのですが、広告業ってクライアントから大手広告代理店、その代理店出身の方が経営されている制作会社という流れが一般的で、大規模プロモーション企画に関して新規参入は難しいんです。
ただし、WEBに関しては様々なサイズのニーズがあって、日々新しい技術が開発されている市場です。競合は多いものの新規参入もし易いし、ネットを基盤として新しいビジネスモデルの提案も可能な魅力的なマーケットだと思います。
「MOAB」のビジョン。
―――社名の由来を教えて下さい。

品田氏:Massive Ordnance Air Blast bombの頭文字MOABでモアブです。
アメリカ空軍が開発した史上最大の破壊力を持つといわれる爆弾で、Mother Of All bombs、全ての爆弾の母とも呼ばれているようです。
的場氏:僕らの考えって基本的にカウンターカルチャーの姿勢なんですよ。現状に「NO」と宣言して、その上で新しい提案もする。最初は小さな流れですが、それがいつか新しい本流をつくる。
夢みたいな話かも知れないですけど、本気で取り組まないと折角の人生がもったいないないかなと。
品田氏:新しいジャンル、カテゴリーを作りだすという考えです。今あるメインストリームを壊してやろうという思いで名付けました。
―――今後の目標や展望を教えて下さい。
的場氏:最高のデザイン集団を作りたいですね。とにかく凄いものを作る集団。
クライアントに左右されるのではなく、自分達で納得できるデザインを一方的に世に出していきたい。そしてそれが、当たり前のようにニーズも満たしていて、クライアントを集め魅了する。そんな魅力的なものを創るチームにしたいです。
傲慢かも知れないですが、その位の向上心が必要なんじゃないかなと思います。
僕は油絵科出身なんですが、今の仕事も制作活動と同じスタイルでモノづくりをしています。もちろんクライアントの要求に答えつつどれだけ拘れるか。クライアントの要求する数歩先を実現させることを心がけています。
クリエイターやアーティストという人種は、大げさかも知れませんが、納得できるものが出来たら死んでもいいくらいに考えている人も少なくないと思います。

品田氏:それぞれがデザインも出来て、コーディングも出来て、営業も出来てというオールマイティ―な人が集まるチームより、得意分野だけを伸ばしてもらって、それぞれがその分野で右に出るものがいない、誰にも負けないプロフェッショナルなチームを作りたい。その方が面白い仕事が出来ると思うんです。
形のないもの、例えば新しい流通構造もデザインしていきたいです。今考えている案の一つですが、画家や美術作家のプロモーション事業も手掛けてみたいです。もっと気軽にアートを楽しめるという流れをデザインする、現状に「NO」と言うだけでなく新しい答えを提示して、新しい流れも作りたいんです。
的場氏:アーティストは作品に対してもちろん妥協はしたくない、しかし世に出られないのは問題です。この企画に対して、僕らはユーザーとアートそのものの距離を近づける仕事をしていきたいですね。
アイデアは尽きませんので、ひとつずつ着実に実現させていきたいです。
(2011年11月 モアブデザインにて)
MOAB design inc, http://moab.jp/
moab mobel http://moab-mobel.com/
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